
日々発表される論文を効率よくフォローする良い方法ないかな・・・

論文キュレーションサイトを活用するのはどう?
医学論文は年々爆発的に増え続けており、そのすべてを追うことは不可能です。こうした中、美術館で展示品を選ぶキュレーターのように日々生まれる膨大な論文から“本当に重要な情報”を選び抜く役割がますます注目されています。近年はAIを活用した質の高いキュレーションサイトが続々と登場しており、上手に使えば情報収集の負担を大きく減らすことができます。本記事では、その中からおすすめのサービスをまとめてご紹介します。自分に合ったツール選びの参考になれば幸いです。
ClinPeer
メドピア社が提供する、がん専門医向けの論文キュレーションアプリ。重要性の高い論文を毎日選択・配信してくれます。マイページ>設定>メール受信設定で「論文キュレーション」のみチェックしておくのがおすすめです。
ClinPeer → https://clinpeer.medpeer.jp/journal
プレスリリースはこちら → https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000515.000010134.html
良い点
- アプリあり
- AIによる要点抽出が簡潔
- PubMed/原文へのリンクあり
- 週間ランキングあり
- 見やすい
惜しい点
- 「がん」専門医向け
- 日別/月別ランキングなし
CareNet Academia
関心領域を選択すると、その分野の最新論文をAIで選択して、自動要約・メール配信・個別最適化機能(自分好み・興味なしの選択)を提供してくれています。レコメンデーションAIによる個別最適化機能が特徴的ですが、論文選択が重要性より好みに偏る傾向が難点です。
CareNet Academia → https://academia.carenet.com
プレスリリースはこちら → https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000125754.html
良い点
- 見やすい
- PubMedへのリンクあり
惜しい点
- アプリなし(2025年12月現在)
- ニッチな論文を「自分好み」にすると、レコメンデーションが偏る
- 自動要約が長い
EvidenceAlerts
カナダのマクマスター大学が運営している、分野別に影響力の大きい医学論文を選んでくれるサービスです。
良い点
- 専門医が評価している
惜しい点
- すべて英語
- 情報の更新が遅い
Read by QxMD
世界的に話題になっている論文を手軽に見ることができます。
良い点
- 話題性・重要性の高い論文が分かる
惜しい点
- すべて英語
- 情報の更新が遅い
臨床を変えるようなインパクトの大きい発見、臨床試験の結果はNEJMに発表されることが多いです。最近は国際学会での発表との同時掲載が増えています。NEJMは医師ならば全員無料で読む方法がありますので、ぜひご活用ください。
Google翻訳やDeepL翻訳で簡単に和訳できますが、中外製薬が提供するScholaria(スカラリア)というサービスもあり、PubMedを活用しやすくしてくれています。英文と和訳が両方表示されたり、キーワードを簡単に選択できたりといった点が便利です。ただし検索領域は一部のがん(肺癌・乳癌・大腸癌・肝癌・リンパ腫・白血病)と神経難病、網膜疾患に限定されます。
Scholaria → https://scholaria.jp/
まとめ
- AIを活用した情報収集 → ClinPeer、CareNet Academia
- 従来型の情報収集 → EvidenceAlerts、Read by QxMD


